始めましての方、お久しぶりの方、おこんにちは。とのP唯一の劇団員(雄)です。とのPは公演ごとにメンバーを募る方式を取っているので、常勤(?)メンバーは座長のとのぎとヒラ劇団員の(雄)のみ。こんなん果たして劇団と呼べるんかいなということもあり正式名称は「とのぎプロジェクト」なのですがそれでは知らない人には何の団体だかわからないということでHPなどでは便宜上「『劇団』とのぎプロジェクト」としているのですが…まさに枝葉末節。気にならない人には全く気にならない話でした。
というわけで本題。本だけに(笑)。突然ですが…みなさんマンガお好きですか?
「演劇+マンガ」というと真っ先に思い浮かぶのが「ガラスの仮面」。アニメにもドラマにもなったので演劇に興味なくてもご存じの方も多いのではないでしょうか(ちなみにワタクシは原作もアニメもドラマも未見なのですが)。で、次に思い浮かぶのが…出てこない。やっぱり演劇ってマンガの題材としては難しいのでしょうか。

「ゲキドウ」 原作:ココカコ 作画:三澄スミ 集英社
そんな中、去年本屋でたまたま見つけたのがこれ。帯には「全く新しくてとびきり優しい演劇漫画」とあったんですが、帯を取ったら野球漫画にしか見えない(笑)。裏表紙にはちゃんとあらすじが書いてあって、そこまで見れば演劇マンガとわかるのですが。ストーリーの紹介もかねて転載します。
「強豪野球部でスタメンの座を勝ち取り、甲子園に立った真柴縁太郎は高校3年の春、突然野球部を辞める。突然の退部に周囲が困惑する中、演劇部に所属する猪井いのりと田辺このかは真柴が抱えている感情にドラマを見出し、声を掛けるのだった─…。」
高校球児の挫折、からの演劇。一体どういう話なのか気になって買ってしまったのですが…1巻にはほぼ芝居のシーンはありません!「それのどこが演劇マンガやねん!」と突っ込みたくなってしまいますが、突然野球部を退部した主人公の挫折と彼が舞台に立つことを決意するまでが単行本1冊にわたって丁寧に描かれています。燃え尽きてしまったかのように退部した自分を「負け組」「弱い」と責める描写は読んでいて切なくなるほどです。
いよいよ2巻から「演劇マンガ」として本格的に動き出すのですが、本日とあるマンガを探しに本屋に行ったら新刊が…。しかも3巻4巻同時発売。そんでもって4巻の帯には「完結」の文字。即買い確定です。ってか元々買うつもりだったマンガと併せていいお値段(汗)。
早速帰りの電車の中で読み始めたのですが…熱い。「熱血」とはまた違う、今風の「熱さ」とでも言うのでしょうか、自分なりの「熱さ」を持った登場人物たちに囲まれて、主人公の思いはどこにたどり着くのか。電車降りた後、家まで帰るのがもどかしくて駅のベンチで読破してしまいました。
で…読破して思ったのは、この物語は「自分を愛せるようになるまで」の物語だったんだなということ。自分の中にある「弱さ」と向き合い、それを克服するのではなく「弱さ」も自分の一部としてまるごと愛する。題材は演劇だけど、非常に深い人間ドラマでした。
「自分と向き合う」ことと「演じる」こと。一見正反対のように見えますが、実はすごく密接なんです。今日買ったばかりの3巻にこんなセリフが…。
「他者を演じれば視点が変わる。他者を理解しようとするその視点が反射して、今まで見えてこなかった『新しい自分』が見えてくる」
役と向き合い、自分と向き合う。それが自分なりの「役作り」になっていくんだと思います。そして、その果てに待っているのが…「新しい自分」。自分も舞台に立つ度に何度も「新しい自分」に出会いました。今回の公演でどんな「新しい自分」に出会えるのか今から楽しみでなりません。そのためにも、役と自分自身の両方にきちんと向き合っていきます…ってかその前に台詞覚えないとなぁ…。
本当は台詞覚えの話を書くつもりだったんですが、読了の興奮収まらずイキオイで長々書いてしまいました。ヒジョーにいい作品だったのですが…3巻の作者あとがきによると、なんと1巻が全く売れず早々に打ち切りが決まったとのこと。そのため話を作り替えたそうなのですが、「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいな終わり方ではなく、きちんと終わっていますのでその辺は大丈夫です。ちなみにこの作品、ヤングジャンプで連載していたのですが、数年前にヤングジャンプで連載していた演劇マンガ「まくむすび」もウワサによれば打ち切りだとか…。ヤングジャンプと演劇って相性悪いのでしょうか(笑)。
「ゲキドウ」も「まくむすび」もAmazonの評価高いし、いい作品だと思うんだけどなぁ…。よかったら読んでみてくださいませ。



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